Career-Ops を初めて知った方は Career-Ops とは何か? を先に読むのを推奨。30秒で全体像と設計思想を把握できる。本記事は実践チュートリアル。
Career-Ops 完全リファレンス を読んで「実際に 使ってみたい」と思った人向けの実践フォローアップ。Career-Ops をインストールし、CVをオンボードし、ポータルスキャンを実行し、バッチ評価を走らせ、初回の応募までを — クリーンなマシンから 約30分 でやる。
前提:Claude Code がインストール済み、Node.js 20+ が動く環境。それ以外は一緒にセットアップする。
なぜ Career-Ops を段階的に解説するか
santifer/career-ops の README はアーキテクチャと哲学をカバーしているが、瞬間瞬間の流れ =「どのプロンプトを打ち、どのタイミングでどのモードを呼ぶか、モードがいつ終わったと判断するか」を意図的に曖昧にしている。その流れがないと、14 skill modes は「メニューが多すぎて食べ方が分からないビュッフェ」になる。
本記事はその流れを与える。最後まで読むと:
- Career-Ops をインストールし、自分のCVをオンボード済み
- プリ設定企業へのポータルスキャンを実行済み
- 10件以上のJDをバッチ評価済み
- 4.0/5閾値を超えた1件の ATS最適化PDF 生成済み
- 今後はどのタスクでもどのモードを呼ぶか即判断できる
前提条件
開始前に:
- Claude Code — code.claude.com からインストール
- Node.js 20+ —
node -vで確認。古ければnvm install --lts - CV(プレーンテキストかMarkdown) — Word/PDFでも変換できるが、Markdown が一番きれい
- 30分の集中時間 — 大部分は CV オンボーディングの対話に使う。これが下流すべての品質を決める
不要なもの:
- Cloudflare などのホスティングアカウント(ローカル動作)
- データベースセットアップ(Markdownテーブル + YAML 使用)
- Playwright の知識(インストーラが処理)
Step 1: Career-Ops インストール(3分)
# 好きなディレクトリにclone
git clone https://github.com/santifer/career-ops.git
cd career-ops
# Node 依存関係インストール
npm install
# Playwright Chromium インストール(検証義務のため必須)
npx playwright install chromium
# 環境チェック
npm run doctor
npm run doctor が赤旗(Chromium 欠落、Node バージョン違い等)を報告したら、今のうちに直す。以降は doctor がクリーンな前提。
Step 2: CV オンボーディング(15-20分)
ここで急ぎすぎる人が多いが、システム全体の出力品質を決定する最大の段階。時間をかける。
2a. CV をリポジトリルートに置く
# clone した career-ops ディレクトリで
cp ~/path/to/your-cv.md cv.md
CV が PDF なら Markdown に変換してから(pandoc、オンライン変換、または Claude に貼り付けて「Markdown に変換して」と頼む)。
2b. career-ops ディレクトリで Claude Code 起動
cd ~/path/to/career-ops
claude
Claude Code はプロジェクトの CLAUDE.md を読む(CLAUDE.md 自体が AGENTS.md を import)。何もしなくても Claude が Career-Ops を理解した状態になる。
2c. Claude にオンボーディング開始を伝える
このプロンプトをそのまま入力:
Career-Ops のオンボーディングを開始してください。cv.md を配置しました。
自分のバックグラウンドに合ったJDを評価できるよう、
ターゲットアーキタイプ、地理、希望年収、絶対NG、興味のある仕事の特徴を
セクションごとに順番に質問してください。
何が起きるか:Claude が CV を読み、構造化された follow-up 質問をセクション別に順番に投げてくる。典型的にカバーされる領域:
- ターゲットアーキタイプ(“Head of Applied AI”、“Senior Backend Engineer”、“FDE”、“PM AI” など)— 2〜4個選ぶ
- 地理(“Tokyo remote-OK”、“Berlin/EU only”、“Anywhere US-Pacific time”)
- 年収目標(base salary range、equity expectations)
- 絶対NG(オンコール無し、移転無し、エージェント経由無し 等)
- 何にワクワクするか(研究ラボ、後期スケールアップ、仕事の雰囲気)
- 直近の wins / proof points(後の STAR ストーリー用)
回答は丁寧に書くこと。 Career-Ops は回答を modes/_profile.md と config/profile.yml に保存する。下流のすべて — スコアリング、CV adaptation、カバーレター、交渉 — はこのファイルを参照する。全質問に「flexible」と書いたら、出力は全部 generic になる。
2d. データ契約の確認
オンボーディング後、カスタマイズが正しい場所に保存されたか確認:
cat modes/_profile.md # ユーザー固有のスコアリング、ナラティブ、絶対NG
cat config/profile.yml # 氏名、ロケーション、希望ロール、年収
この2ファイルがユーザー層データ。他(modes/_shared.md、modes/oferta.md、modes/batch.md)はシステム層で 手で編集しない — Career-Ops のアップデートで上書きされる。
Step 3: 求人ポータル設定(5分)
Career-Ops は portals.example.yml に45社以上のプリ設定企業(Anthropic、OpenAI、Stripe、Linear、Vercel など)を同梱。コピーして調整:
cp templates/portals.example.yml portals.yml
portals.yml を開いて:
- 興味ない企業を削除(出力がクリーンに)
- カスタム企業を追加 — 求人ボード URL と共に。Scanner が理解する求人ボードパターン:Greenhouse、Ashby、Lever、Workable、Recruitee、一般的な企業
/careers/ページ
形式:
companies:
- name: Anthropic
url: https://www.anthropic.com/careers
archetypes_of_interest: [Applied AI, Research, Eng Manager]
- name: Your Custom Co
url: https://jobs.ashbyhq.com/your-custom-co
archetypes_of_interest: [Backend Engineer, Platform]
Step 4: 初回スキャン(5分)
Claude Code に戻って:
career-ops を使って portals.yml のポータルをスキャンしてください。
各オープン求人について URL、タイトル、企業名、ロール概要をキャプチャし、
scan-results/ に保存してください。
Claude が Scan モードを invoke。Playwright が各ポータル URL を開き、オープン求人を抽出し、scan-results/ の Markdown index に書き出す。ポータル数次第で 3〜8 分かかる。
完了後、出力を確認:
ls scan-results/
cat scan-results/index.md
20〜80件のオープン求人がポータル横断、URL で重複排除済みで表示されるはず。
Step 5: バッチ評価(5〜15分)
ここが Career-Ops のマジック。Claude Code で:
scan-results/ の全求人にバッチ評価を実行してください。
auto-pipeline モードを使い、各求人について A〜F スコアリング(10次元)の
レポートを reports/<NNN>-<company-slug>-<date>.md に生成してください。
Playwright で検証できないものはスキップしてください。
次に起きるのが Career-Ops 完全リファレンス で説明した 並列ワーカーパターン:コンダクタープロセスが複数の claude -p ワーカーを spawn、各ワーカーがキューから URL を lock file 経由で取得。
進捗は batch-state.tsv に。watch する:
tail -f batch-state.tsv
バッチ完了後、reports/ 配下に求人1つあたり1 Markdown レポート。各レポートに:
- A-F 総合グレード
- 10次元スコアリング内訳
- 推奨アクション(応募 / スキップ / 保留)
- 求人 legitimacy ティア(T1〜T4)
Step 6: トリアージ(5分)
詳しく見る価値のある求人にフィルタ:
# グレード A or B(4.0/5+ 閾値)のレポート一覧
grep -l "Overall: [AB]" reports/*.md
Claude Code で:
pipeline モードで reports/ をフィルタし、グレード A or B の求人だけ表示してください。
自分のアーキタイプとの整合性で上位10件を ranking し、
legitimacy が T2 未満のものは flag してください。
出力は短いリスト。何か追加の action をする前に、自分の目で各レポートを1回読む。Career-Ops は分析フィルタであって意思決定者ではない。
Step 7: 初回 CV 適応PDF生成(3分)
トップランクの求人を選ぶ。Claude Code で:
PDF モードで reports/001-<company-slug>-<date>.md 用の ATS最適化レジュメを生成。
JD から抽出したキーワードを注入し、pdfs/ に保存。
cv.md からどのセクションを adapt したか、なぜそうしたかを教えてください。
Claude が PDF モードを invoke。cv.md と求人レポートを読み、Space Grotesk + DM Sans テンプレで customized HTML レジュメ生成、Puppeteer で PDF レンダリング。
open pdfs/001-<company-slug>-<date>.pdf
PDF をレビュー。必ず 提出前に確認 — Career-Ops は良いが完璧ではない、誇張や不自然な言い回しを model が見逃した部分を catch する。
Step 8: 提出(承認待ちポイント付き)
PDF OK、応募したい場合:
apply モードで reports/001-<company-slug>-<date>.md を提出してください。
pdfs/001-<company-slug>-<date>.pdf を使用、submit ボタンの直前で
承認を待ってください。
Apply モードは求人の応募フォームを Playwright で開き、cv.md と config/profile.yml を元に入力、PDF を添付、submit ボタン直前で停止。「submit」と入力するか、変なところを修正してから submit。
14 Skill Modes — リファレンスカード
コアフロー完了後、残りモードの呼び出し例:
| Mode | invoke する時のプロンプト |
|---|---|
| Oferta | 「この単一求人 <URL> を詳細評価してください」 |
| 「レポートXX用の ATS 最適化 CV を生成してください」 | |
| Scan | 「portals.yml の全ポータルをスキャンしてください」 |
| Batch | 「scan-results/ の全 URL をバッチ評価してください」 |
| Tracker | 「応募 tracker を表示してください」 |
| Apply | 「apply モードでレポートXXをPDF XXで提出してください」 |
| Pipeline | 「reports/ をグレード A/B にフィルタしてください」 |
| Contacto | 「<企業> のリクルーターへの LinkedIn outreach メッセージを起草してください」 |
| Deep | 「<企業> の deep company research dossier を作成してください」 |
| Training | 「自分の Applied AI アーキタイプに <コース/認定> を受講すべきですか?」 |
| Project | 「このポートフォリオプロジェクト <URL> の fit signaling を評価してください」 |
| Interview | 「私のプロファイルから STAR ストーリーで behavioral interview の準備を手伝ってください」 |
| Negotiate | 「<企業> の base $X / equity $Y の offer に対する交渉スクリプトを起草してください」 |
| Dashboard | 「dashboard を開いてください」(terminal UI でパイプライン可視化) |
よくある落とし穴(現実的なもの)
- CV オンボーディングを急ぐ。Step 2c で generic な回答 → 下流すべて generic に。15分フルに使う。
npm run doctorをスキップ。「Career-Ops 動かない」報告の半分は Chromium 欠落 or Node バージョン違いに traces back。- カスタマイズで
modes/_shared.mdを編集。データ契約:modes/_profile.mdとconfig/profile.ymlだけがカスタマイズ対象。他はアップデートで上書きされる。 - PDF を読まずに提出。Career-Ops は高品質だが完璧ではない。必ず目視確認。
- 4.0未満のスコアを「まだ応募する価値あり」と扱う。著者が閾値を作った理由がある — 4.0未満の応募はリクルーターへの reputation コスト。オーバーライドは慎重に。
- 5URL のキューでバッチ実行。並列ワーカーにはオーバーヘッドがある。30+ URL になってから Batch。それ未満は
Ofertaで個別に。
次にやること
コアフロー慣れた後、長期使用で投資対効果が一番高いモード:
- Tracker — 応募状態(Evaluated / Applied / Responded / Interview / Offer / Rejected / Discarded / SKIP)を正直に保つ
- Interview — STAR ストーリーバンクが時間と共に蓄積、N回目の面接準備は1回目より有意に良い
- Negotiate — エンジニアはスクリプトを持っていないため交渉でお金を残しがち。Career-Ops は
_profile.mdベースのスクリプトをくれる
深いアーキテクチャは Inside Career-Ops 14モード Skillsアーキテクチャ、システムリファレンスは Career-Ops 完全リファレンス 2026。
FAQ
Career-Ops の初回セットアップにかかる時間は?
CV 用意 + 30分の集中で約30分。インストール + Playwright(〜3分)、CV オンボーディング(〜15分、最重要)、ポータル設定(〜5分)、初回スキャン(〜5分)。それ以降のセッションは scan/batch/triage/PDF で10〜15分。
Claude Code 有料プラン必要?
不要。Career-Ops はどの Claude Code プラン(無料 or 有料)でも動く。コストドライバーは総トークン消費量で、プラン階層ではない。50 jobs のバッチ評価で 200K〜500K トークン、無料枠の月次上限内に余裕で収まる。
CI 環境で Career-Ops を動かせる?
動かせるが caveats あり。claude -p ヘッドレスモードで Playwright 検証義務を無効化(**Verification:** unconfirmed (batch mode) マークで WebFetch fallback)。trade-off:幽霊求人フィルタリングが unreliable に。CI モードは事前検証済み企業の nightly ポータルスキャンには便利、ad-hoc バッチ評価には不向き。
Career-Ops に応募の自動送信を防がせるには?
防がせなくても自動送信できない。Apply モードは設計上 submit ボタン直前で停止する — Career-Ops は自分で submit をクリックしない。「ただ submit して」と Claude に伝えても、モードの instructions が停止を強制する。
CV が PDF だったらどうする?
まず Markdown に変換。最簡単:PDF テキストを Claude 会話に貼って「Markdown に変換して、構造を保持して」と頼む。career-ops ディレクトリに cv.md で保存。他の選択肢:pandoc input.pdf -o cv.md、オンライン PDF→Markdown 変換。
カスタマイズを失わずに Career-Ops を update するには?
最新を pull する。カスタマイズは設計上安全。データ契約が保証:modes/_profile.md と config/profile.yml はユーザー層ファイルで git pull で絶対に上書きされない。システム層ファイル(modes/_shared.md、modes/oferta.md 等)は自由に update。システムファイルを手編集していたらそれは clobber される。
自分のカスタム skill mode を追加できる?
できる。modes/<your-mode>.md に既存モードと同じ convention で Markdown ファイルを drop(_shared.md import、ロール定義、評価ルーブリック)。Claude Code で呼び出し:「<your-mode> モードで…」。深掘りは Inside Career-Ops 14モード Skillsアーキテクチャ。
Career-Ops は LinkedIn EasyApply と比べてどう?
scope が違う。EasyApply は 1-click submit、Career-Ops は分析パイプライン。Career-Ops の価値は submit 前 — どの 5/50 jobs が時間を投資する価値あるか、JD と match した CV、すべてを単一の真実の源で tracking すること。EasyApply はそれの下流。多くのユーザーが両方併用:Career-Ops でフィルタ + adapt、LinkedIn上の求人なら EasyApply で submit。
Career-Ops が動かない場合のヘルプは?
3箇所:(1) npm run doctor で環境問題、(2) GitHub Issues でバグ、(3) Apply モード pause point で Career-Ops が生成したフォームを inspect。著者は genuine bug に対する GitHub での反応は速いが「自分のA〜F グレードに同意できない」系は user-layer config issue 扱い。
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